高齢者になると老化の影響を受けて心身の機能に支障を来すことが多く、病気のリスクが高くなります。
そのため必然的に年々医療負担が大きくなりがちですが、収入も乏しくなっていくので充実した内容の医療を受けるのが困難です。
しかし、最低限度の生活を保障するのが国の責務なので、対応策が検討されてきました。
その中で生まれたのが後期高齢者医療制度です。
後期高齢者医療制度は75歳以上の方を主な対象として自己負担額の軽減などを定めています。
1割の自己負担で良いのが原則で、さらに所得がどのくらいあるかに応じて1ヶ月あたりの限度額も設けられています。
外来のみか、入院も含むかによって限度額が決まっていることから、老後の医療負担を大きく軽減できる制度です。
後期高齢者医療制度が導入されたのは年金問題への対策の意味も含まれています。
老後の生活は年金だけでは十分なものとは言えないという事実がよく知られるようになりました。
その影響として大きいのは日本における長寿化です。
平均寿命が延びてきているため、老後の不安がさらに大きくなっています。
高齢になるほど医療負担が大きくなることは避けられません。
特に75歳以上にあるとアルバイトなどで働くのも難しくなるため、医療費を工面しながら生活も充実させるのは困難になるでしょう。
このような老後不安の対策として後期高齢者医療制度を取り入れ、現在の高齢者だけでなく若い世代にも不安をなくしてもらうことが目指されています。
高齢者の医療や介護に携わる人はもちろん、そうでない人も自分の将来に関係する後期高齢者医療制度の知識をつけておいて損はないでしょう。